Q29 セルフケアできない症状にはどんなものがありますか?
セルフケアできるのは、急性病のとき。
繰り返す症状や長年患っている場合は慢性病になるので、基本的にセルフケアの範疇外になります。
急性病と慢性病の区別
● 急性病:その時だけで完結する症状
● 慢性病:繰り返し戻ってくる症状、長年患っている症状
大別する方法は、Q28 セルフケアできるのはどこまでですか? (急性病と慢性病の違いについて)
でご紹介した通りです。
アトピーや喘息、花粉症などは、繰り返す症状なので慢性病に入りますよね。
なので基本的にはセルフケアの範疇外です。
そして、慢性病の中でも、もっとも難しいケースが慢性症状をお薬でコントロールしてきている場合です。
アトピーや喘息にステロイドを現在使っている、もしくは過去に使っていた場合、セルフケアは諦めてください。
まず、無理と思って間違いないです。
レメディによる刺激によって、一気に排出がはじまり、症状がもっと辛くなることも十分に考えられます。
本当に本当に要注意なのです。
中でもSulph.(ソーファー/硫黄)とSil.(シリカ/ケイ素)を使うのは絶対にNGです。
2つとも皮膚症状に強いレメディだけど、皮膚に症状が出ているときに、これらのレメディをとるとさらに症状を辛くさせてしまうこともあります。
アクセルにもブレーキにもなるレメディなんです。
火に油を注いでしまうのか
火に水をかけて鎮火するのか
その差はあまりにも大きすぎるのです。
そして、どっちに転ぶのかは予測がとっても難しいです。
身内でのケースだと、毎年夏になると水虫になる親戚の方がいて、それをセルフケアでなんとかしようとソーファーをとったところ、激しく悪化してしまいました。
足指がぱんぱんに腫れて一歩も歩けなくなり、会社も数日間お休みし、最後は病院のお世話になることに。
せっかく今回はお薬ではなく、ホメオパシーで乗り切ろうと思っていたのに、ソーファーによってより強く症状が押し出されてしまったわけです。
今まで薬で抑えられていた分の症状が出てきた、と考えることができます。
一方、私の実父は、夏になると皮膚に水疱ができます。
口の周りから始まって、首や手にまで徐々に広がり、痒くて、痒くてたまらなくなります。
そういう症状にソーファーをとってもらうと、まずもう広がらなくなり、水疱も枯れ、痒みも消え、一週間ぐらいで全く気にならなくなります。
こんな感じでレメディを使った結果が真逆になったりするんですね。
父の場合は、私がレメディを選び検討してから、「悪化しないだろうという予測判断」 した上で、ソーファーをとってもらっています。
それでもソーファーをとってもらう時は、1回とったら2~3日は様子見をします。
● 症状が強まっていないか?
● 新しい症状が出てきていないか?
体の反応を見て、ソーファーを継続するかを決めていきます。
症状がきつくなったり、新しい症状が出てきた場合は、使用を中止します。
ソーファーやシリカは、使うタイミングがとっても大切で、その判断はプロのホメオパスでもかなり慎重に検討するし、そもそも安易に使いません。
レメディの刺激により、一度排出のスイッチが押されると、止めるのが大変だからです。
止めるための方法はいくつかありますが、必ず功を奏すとは限りません。
治癒までのプロセスで、でるべき症状がある方も中にはいらっしゃいます。
でも、そのプロセスをゆっくりとすることができたら、日常生活に負担をかけなくてすみます。
でるべき症状がある場合に、ソーファーやシリカをとると、勢いよく出てくる可能性がある、その認識をもっておくことが必要です。
本の中には『アトピーにはソーファー』と書いてあるものもあります。
これが間違いなわけではありません。
ただし、注意事項が全く書かれていないのは問題だと私は思っています。
とるタイミングが早すぎる場合や医原病がある場合(でるべき症状がある場合)は、今ある症状がさらに強くなる可能性がある、ということは最低でも明記されていてしかるべきかと。
他にも、カーボアン(Carb-an.)とかシイピア(Sep.)とか、人によっては症状が押し出されてしまうレメディはいくつかあります。
*細かいところは、ホメオパシー講座でお話しています。どんなものでも、どんな療法でも、安全に使ってこそだと考えています。安全に使ってほしいので、鉱物由来のレメディの使い方についてはしっかりお伝えしています。
繰り返しになりますが、慢性症状をお薬でコントロールしている場合、ホメオパシーでのセルフケアはできません。
ホメオパシーを試したいというお気持ちがある場合は、必ずホメオパスのコンサルに入ってくださいね。