「マテリアメディカってなぁに?の続き」ホメオパシーってなぁに?(5)
マテリア・メディカについてホメオパシーってなぁに?(4)
からの続きです。
ハーネマンが残したマテリア・メディカ は本当に素晴らしいものであり
その理由は
その物質が引き起こす症状が そのまま編集されずに
手を加えられていない状態で載っているから
だと前の記事の最後に書きましたが、ではなぜ、編集されない状態で載っているといいのでしょうか?
それは、
マラリアのような高熱がある人が、マラリアの特効薬とされていたキナ皮をとったことで健康を回復したように・・・。
トリカブトから作ったレメディのアコナイト(Acon.)ですがプルービングにはこんな症状も載っています。
もし今の健康状態が、 「動悸があって、不安を感じていて、顔がほてって赤くなっている」 としたら
アコナイト(Acon.)をとることで 健康的な状態を取り戻すことができるかもしれない、そういう可能性がありますよ、ということになります。
もしアコナイト(Acon.)をとることで症状が落ち着いてきたとしたら、アコナイト(Acon.)が同種だったと言うことです。
繰り返しになりますが、ホメオパシーの同種療法というのは体がマイナスな状態にあるときに、あえて同種のマイナス状態を引き起こすことができる刺激(作用)を体に与え、体の反作用を利用してプラスに戻す療法です。
自然な疾患(今の症状)と人工的な疾患(レメディが作る症状)ができる限り類似していることで、反作用が治癒反応になります。
セルフケアに使うマテリア・メディカではアコナイト(Acon.)について、「体が冷たくて血液循環が悪い」という記述はあります。
でも「顔がほてる」という情報は載っていません。
マテリア・メディカをコンパクトに編纂している段階で落ちてしまったんですね。
コンパクトさや利便性を求めたことで失われている情報があるので、ホメオパスはハーネマンが書き残した「純粋マテリア・メディカ」と「慢性病論マテリア・メディカ」を基本のマテリア・メディカの1つとしています。
情報が多すぎるけれど、失われているものはないのです。
クライアントさんの症状にあっていそうなレメディ候補が浮かんできたらホメオパスは「純粋マテリア・メディカ」や「慢性病論マテリア・メディカ」 などで確認していますよ。
● 「レメディ使ってみたけど 私にはあわなかった」
● 「効果があるのかないのか わからなかった」
● 「手応え感じないなぁ~」
という方は、ホメオパシーを見捨てる前に、一度ホメオパスに相談して、マッチするレメディを探してもらって欲しいなぁ~と思います。
この写真は、数年前の私のコンサルルームの本棚です。
今はさらに増えて、倍以上はありますね。
ホメオパシーに限らず、何かしらセラピストとしてお仕事していたら専門書は増える一方です。
ここからは ちょっと専門的なことを書いてみるのでご興味がある方のみで
「純粋マテリア・メディカ」や「慢性病論マテリア・メディカ」には、ハーネマンがプルーバーに協力してもらい行ったプルービング実験だけでなく、毒物を誤って事故で、あるいは、自殺目的なんかで摂取した人の症状も載っています。
砒素というアーセニカム(Ars.)のマテリア・メディカを見ると、死亡している症例が多数ありますが、これはハーネマンが行ったプルービングのせいではありません。
工場などでの事故や自殺目的で砒素をとって死亡した症例です。
では実際、ハーネマンがどのようにプルービングを行っていたかというと、最初のころは植物の場合は煎じ液にして健康な人にとってもらっていました。
その後、30Cというポーテンシーのレメディを健康な人にとってもらうようになりました。
煎じ液という物質がある状態のものをとってもらっても
30Cという物質がない状態のものをとってもらっても
同じようにプルービングはできていたのです!
むしろ 30Cというレメディをとってもらった方が、プルービングがしっかりできたのでハーネマンは30Cを使うようになりました。
また、物質では何の効力がないものでも、30Cというレメディにすることで、症状を引き起こすことができるようになったものがあるんです。
例えば、ヒカゲノカズラの花粉から作ったライコポディウム(Lyc.) がそうです。
最後に 『医術のオルガノン』 の中から、プルービングについて記述しているセクションをご紹介します。
ちょっと読みにくい日本語ですが、30Cにしたことでプルービングがしっかりとできるようになった、ということが書かれています。
最近だけでなく以前からレメディの物質について次のことが経験的にわかっていた。
すなわち、プルービングによってレメディの特有な作用を調べるためにプルーバーがレメディを服用したとき、自然のままの状態のレメディ物質(八代注:レメディにしていない原物質のまま)では、秘められたたくさんの効力がそれほど完全に現れなかった。
むしろ正しくすりつぶし震盪することによって高度に希釈し、ポーテンシーを上げることで(八代注:レメディにするということ)、秘められたたくさんの効力がより完全に現れた。
要するに、このように単に手を加えるだけで、自然のままの状態のときには隠されていた、いわば休眠していたといってもよい効力が、信じられないくらいに現れ、目覚めて活発になったのである。
こうして今では、効力に関して微弱であるとみなされた物質でさえも申し分なく調べることができる。
このような物質の、非常によく精製された希釈度30Cの丸薬を四粒から六粒を少しの水で湿らせるか、あるいはむしろ、もっと大量の水もしくは多めの水にそれを溶かして十分に震盪するかして、毎日、プルーバーに空腹な状態で服用させ、これを数日間続けさせる。
繰り返しになりますが、ハーネマンは途中から30Cのレメディでプルービングをしていました。
つまり、それはどういう意味かというと、健康な人が30Cのレメディをとり続けるとプルービングしてしまう可能性があるということです。
何か症状があるときに(-) レメディをとると(-)
健康を回復できる可能性がありますが(+)
健康な状態になったのに(+)、 レメディをとり続けると(-)
症状が引き起こされる可能性があるので(-)
症状がよくなってきたら、レメディをとるのはやめたほうがいいです。
それは薬であっても、レメディであっても同じです。
レメディには物質がないから、「いくらとっても問題ない」とは言い切れません。
プルービングの可能性は軽視されがちなので、ここはしっかりと注意喚起したいと思います。
ホメオパシーのレメディは、あくまでも何かお困りの症状があるときに使うものだということを覚えておいてくださいね。
レメディを使った予防法がありますが これはまた別の話なので別の機会にお話しできたらと思います。
非常に長くなってしまいました。
最後までお読みいただき ありがとうございました
次の「レメディの作り方」メオパシーってなぁに?(6) に続きます。
(1)同種の法則とは?
(2)作用・反作用の法則とは?
(3)ホメオパシーの歴史『同種の法則」』の発見
(4)マテリアメディカとは?_1
(5)マテリアメディカとは?_2
(6)レメディの作り方
(7)レメディの素晴らしいところ
Q1 レメディーはどこで購入できますか?
Q2 レメディはどんな形状のものがありますか?
Q3 レメディはどのように保管したらいいですか?など
Q4 レメディの有効期限は?
Q5 レメディはどんな摂り方がありますか?
Q6 お薬と併用できますか?
Q7 予防接種のデトックスはできますか?
Q8 ホメオパシーはどんな不調に試せますか?
Q9 どれくらいの期間、個人セッションに入る必要がありますか?
Q10 どれくらいの頻度で個人セッションに入る必要がありますか?
Q11 マザーティンクチャーとは何ですか?
Q12 レメディをリピートする頻度や回数は?
Q13 ポーテンシーはどのように使い分けたらいいですか?
Q14 好転反応とは何ですか?
Q15 好転反応は必ず起きるのでしょうか?
Q16 治癒の法則って何ですか?
Q17 ホメオパスはどのような視点でレメディを選んでいますか?
Q18 マザーティンクチャーに有効期限はありますか?
Q19 新型コロナウィルス対策に精油を使うと、レメディーはどうなりますか?
Q20 レメディをとっているとき、コーヒーを飲んでも大丈夫?
Q21 レメディー情報は解毒(アンチドーテ)されますか?
Q22 レメディ情報を無効にするものには何がありますか?
Q23 予防接種(ワクチン)レメディをとる必要はありますか?
Q24 ワクチン以来の不調がある場合、何をしたらいいですか?
Q25 レメディは物質が入っていないから、あっていないものをとっても害はない?
Q26 好転反応は、あったほうがいいのですか?
Q27 「好転反応がないと、よくならない」というのは本当ですか?
Q28 セルフケアできるのはどこまでですか? (急性病と慢性病の違いについて)
Q29 セルフケアできない症状にはどんなものがありますか?
Q30 ポーテンシーとは何ですか? 「C」「X」「LM」は何を意味しますか?
Q31 カレンデュラクリームも電磁波対策が必要ですか?
Q32 マザーティンクチャーも電磁波対策が必要ですか?